【コラム】離婚に伴う慰謝料
事務員:離婚事件において、慰謝料という言葉を聞くことがありますが、離婚では、いつもどちらか一方の当事者が慰謝料を支払わなければならないのですか。
弁護士:価値観の相違や性格の不一致などが原因で離婚になり、どちらか一方に離婚の原因があるとはいえない場合などは、互いに慰謝料請求権が発生しない場合もあります。
事務員:夫が浮気をしていた場合には、夫は、離婚のときに、慰謝料を支払わなければならないのですか。
弁護士:例えば、夫が浮気をしていて、夫の浮気が離婚の原因になった場合には、離婚訴訟における判決という観点からは、通常、離婚に伴い、夫が妻に慰謝料を支払うことになると思います。
事務員:芸能人の離婚で、庶民感覚からはものすごい慰謝料を支払っている場合もあるようですが、一般の会社員の離婚では、慰謝料の金額として、いくらくらいまでが多いですか。
弁護士:当事者の一方に婚姻関係の破綻の原因がある場合であっても、300万円を超える慰謝料は、なかなか認められないという印象を持っています。
事務員:最近、モラハラ(モラルハラスメント)という言葉を聞くことがありますが、モラハラでも慰謝料が発生するのですか。
弁護士:民法の条文には、モラハラ(モラルハラスメント)という言葉はでてきません。当事者の一方が、モラハラであると感じた具体的な相手方の言動を指摘して、その言動によって、夫婦関係が破綻したと主張し、慰謝料を請求することになると思います。
事務員:離婚で裁判になる場合もあります。当事者の言い分が違うことも多いと思いますが、その場合、どうなるのですか。
弁護士:当事者は、それぞれ事実を主張し、争いのある事実については、立証をする必要があると思います。そのうえで、裁判官が判断します。
離婚事件の場合、2人しかいない場面で、言った、言わないという争いになることもあり、立証に困難が伴うこともあります。
事務員:私は、今のところ夫婦円満ですが、離婚を考えるようになったら、弁護士さんに早めに相談するようにします。