【コラム】不貞行為の証拠とSNS
事務員:最近、SNSをしている方が多いと思いますが、SNSのやりとりは、不貞行為の証拠になるのでしょうか。
弁護士:次のような事例を仮定して考えてみましょう。Aさんは、3年前に結婚をし、妻のBさんと子供が一人いるとします。Aさんは、Bさんと子供と同居しています。
Aさんは、独身の女性であるCさんと不貞行為を継続しました。
ある日、Bさんが、Aさんの行動を不審に思い、携帯電話をみたところ、AさんとCさんの間で、SNSでやりとりがされていました。
Bさんが、Cさんに対し、Aさんとの不貞行為を理由に訴訟手続で慰謝料を請求するとします。
事務員:SNSで、AさんとCさんが性的な関係を持ったことを前提とするやりとりがされていれば、証拠となると思うのですが。
弁護士:SNSのやりとりが裁判の証拠になるかという問題については、通常、証拠となると思います。
もっとも、SNSのやりとりが、不貞行為の存在をどの程度立証できるのかは、別の問題だと思います。SNSのやりとりによって、どの程度、不貞行為の事実を立証できるかは、SNSのやりとりの内容が重要なポイントになると思います。
事務員:裁判の証拠となるということと、裁判所が、証拠から、こちらが証明しようとしている事実を認めてくれるかということは、別の問題なのですね。
弁護士:私の経験では、SNSのやりとりをスクリーンショットでデータを保存してプリントアウトしてもらい、証拠として提出したことがあります。
事務員:SNSのやりとりは、長くなることも多いので、証拠として提出した範囲だけである程度理解してもらえるように、どの範囲でスクリーンショットをするか、悩みそうですね。
弁護士:また、SNSだけでなく、いろんな証拠を組み合わせて提出することも多いと思います。訴訟では、提出した証拠や訴訟の当事者の尋問などを全て総合考慮して、不貞の事実を認定できるか否かが問題になることも多いと思います。
事務員:とりあえず、不貞行為の慰謝料請求をすることを検討しているときに、証拠となりそうなSNSのやりとりがあるときは、データを大切に保管して弁護士さんに相談してみてもよさそうですね。