モラハラをする夫と離婚するにあたり、夫が子供の親権者になるのでしょうか?
1 はじめに
モラハラ(モラルハラスメント)は、言葉や態度などによって、相手方を精神的に虐待することを言います。
モラハラに該当する可能性があると思われる行為としては、
普段は穏やかだけれども、突然、怒り出す
不機嫌になると物に当たったりする
期限が悪くなると、話しかけても無視をする
何を言っても否定されてしまう
相手方を馬鹿にする言動をする
などがあります。
モラハラの被害にあうと、相手方の機嫌を損ねないように緊張を強いられながら生活をするようになる場合もあります。
モラハラの被害にあっていると感じたら、一人で抱えこまず、周りの人や弁護士にご相談をされてはいかがでしょうか。
ここでは、夫にモラハラがある場合、妻が子供の親権者となることができるかという視点で、説明します。
2 親権について
(1)離婚にあたり、現時点(令和6年9月)では、子供の親権者を決める必要があります。
子供の親権者は、父母の協議によって決めますが、父母の協議が整わない場合には、離婚調停をすることになります。
家庭裁判所の離婚調停において、お互いが子供の親権を主張して合意に達しない場合、通常、離婚調停は不成立になります。
離婚調停が不成立になった場合、離婚手続を進める場合には、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することが通常です。離婚訴訟においては、最終的には、裁判所が親権者を決めます。
(2)親権の内容として、子供の身上に関する権利義務と子供の財産に関する権利義務に分けられます。
民法820条は、親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う旨規定しています。
民法824条本文は、親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する旨規定しています。
(3)離婚訴訟において、裁判所が親権者を決める場合
監護の継続性(誰が主たる監護者として、子供を監護、養育してきたか)
子供が乳幼児の場合には、母性優先の原則
子供の意思
兄弟の不分離
などの要素を総合考慮して決めると考えられます。
事案によっては、調査官による調査が行われる場合があります。
3 モラハラ夫と親権
(1)子供の親権
子供の心身の健全な成長にとって、父親のもとで育った方が良いか、母親のもとで育った方が良いかという視点が重要だと思います。
そうすると、同居中、夫が育児にどのように携わってきたか、現在、子供は誰が育てているかという視点が重要であると考えられます。
モラハラ夫であっても、同居中に積極的に子供を監護、養育し、夫婦が別居した後も子供を監護、養育しており、その監護、養育に問題がない場合、子供の親権者となる可能性があります。
夫婦関係と親子関係は、分けて考える必要があると思います。
一方、妻が、子供の出生時から子供を監護、養育しており、別居にあたり、子供と一緒に別居して、別居後も子供を監護、養育し、その監護、養育に問題がなく、子供が母親と同居を続けることを希望している場合、妻が子供の親権者となる可能性が高いと思われます。
(2)妻が親権者として認められる可能性が高い場合
夫から、離婚後にどうやって育てるのだなどと言われ、親権者として認められないのではないかと不安になることもあると思います。
離婚調停や離婚訴訟の経験が豊富な弁護士に相談をして、裁判所からの視点で、現在の状況を把握することが重要だと思います。
4 まとめ
離婚、親権について、分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。