夫(妻)が信用できない!離婚における公正証書作成のポイントを弁護士が解説
1 はじめに
離婚するときに、当事者間で約束をしても、ちゃんと守ってくれるか、不安な方もいらっしゃると思います。
口約束では、言った、言わないのトラブルになる可能性もあります。
書面に残す場合にも、法律の専門家でない方にとって、法的な合意を文書にすることは、大変な場合が多いと思います。
離婚する際には、慰謝料、財産分与、養育費などお金を支払う約束をすることも少なくありません。養育費の支払いは、長期間にわたることも多くあります。
合意をしっかりした文書で残し、相手方がお金の支払いを怠ったときでも、直ちに強制執行の手続きをとることができるようにするため、公正証書を作成する場合があります。
2 離婚について、公正証書を作成する場合のポイント
①離婚の合意、子供の親権
離婚することの合意を記載します。
未成年の子がいる場合、未成年の子の親権者を決めます。
なお、成人年齢が、令和4年4月から満18歳になりましたので、ご注意ください。
離婚届を夫が提出するか、妻が提出するか、記載することが多いです。
②慰謝料、財産分与、養育費
慰謝料については、当事者間で協議し、一方当事者が相手方に対し、慰謝料を支払う合意をした場合には、合意した内容を記載します。
慰謝料などの表現ではなく、解決金などの表現を用いる場合もあります。
財産分与については、当事者間で協議し、合意した場合には、合意した内容を記載します。
養育費については、当事者間で金額、終期等、合意した内容を記載します。
③年金分割
合意分割が必要な場合には、年金分割の合意を公正証書で作成する場合もあります。
④面会交流
子供と子供を監護していない親との間の面会交流について記載する場合があります。
⑤強制執行認諾文言
公正証書で金銭を支払う約束をした場合、強制執行認諾文言があれば、相手方が支払いを怠った場合、通常、公正証書に基づき、強制執行をすることができます。
もっとも、例えば、不動産の明け渡しの約束は、公正証書に基づき、強制執行することはできません。公正証書に基づき強制執行することができる債務には、制限がありますので、注意が必要です。
⑥清算条項
清算条項を入れることが通常です。
3 公正証書の作成は、弁護士までご相談ください
公正証書の作成については、合意する内容をあらかじめよく検討して書面に作成する必要があります。
離婚調停、離婚訴訟などの多くの離婚に関する紛争や公正証書の作成を取り扱ってきた弁護士であれば、どのような点がポイントとなるのか、慰謝料、財産分与、養育費、年金分割などについて、過去の経験から助言をすることができます。
離婚に関する公正証書の作成は、弁護士までご相談ください。