慰謝料を請求された場合の対応
1 はじめに
慰謝料を請求される場合、相手方に代理人弁護士がついている場合、
①内容証明郵便で慰謝料を請求する内容の書面が自宅に届く
または
②訴状が自宅に届く
ことが多いと思います。
2 内容証明郵便による慰謝料請求
内容証明郵便が届いた場合、請求をされた側も、弁護士を代理人に選任をすれば、その後、相手方代理人は、当方の代理人弁護士に連絡をするようになり、ご依頼をされた方(慰謝料を請求された方)には、相手方代理人から直接連絡が入らなくなります。
受任する際、不貞行為の事実の有無や事情を確認させていただき、不貞行為の事実を争うのか、慰謝料の金額を交渉するのか、などの方針を決めます。
交渉の結果、合意に達すれば、書面を作成します。
交渉が決裂すれば、相手方が、訴訟を提起する場合もあります。
3 訴訟
(1)代理人の選任
訴状が届いた場合、請求をされた側も、弁護士を代理人に選任すれば、その後、裁判所や相手方代理人からの連絡は、当方の代理人弁護士に連絡が入るようになり、ご依頼をされた方(慰謝料を請求された方)には、相手方代理人から、直接連絡が入らなくなります。
(2)慰謝料を請求された側の言い分
慰謝料を請求された側としては、
①そもそも不貞行為の事実がない
②相手方に配偶者がいるとは知らなかった
③性的な関係を持ったときには、夫婦関係が破綻していた
④慰謝料の金額が高い
などと主張する場合があります。
委任を受けた弁護士は、ご依頼者の方の言い分を書面にまとめて提出したり、証拠を提出したりします。
(3)期日の出席
第1回口頭弁論期日は、陳述擬制の制度が認められており、答弁書を提出すれば、必ずしも出席する必要はありません。
その後の期日には、原則として、出席が必要ですが、弁護士を代理人に選任すれば、弁護士のみの出席で足りる場合もあります。
もっとも、例えば、本人尋問期日には、ご本人にご出席していただく必要があります。
(4)和解と判決
訴訟になっても、当事者間で合意に達すれば、原則として、和解により、手続は終了します。
訴訟では、和解に達しない場合、最終的には、判決にいたります。
判決主文に不服がある場合には、当事者が、控訴する場合があります。
4 求償(きゅうしょう)
不貞行為は、共同不法行為となり、不貞行為の相手方と連帯債務となる場合があります。
慰謝料を支払った場合、不貞行為の相手方に対し、不貞行為の相手方の負担すべき分について求償する場合があります。 求償をしないことを条件として、内容証明郵便で慰謝料を請求された場合における交渉や慰謝料請求訴訟における和解の交渉において、求償しないことを条件として、慰謝料の減額の交渉をする場合もあります。